2011/06/08

Dropboxは最強オンラインストレージか?





Dropbox(ドロップボックス)の勢いがとまらないようだ。
2008年9月にサービスを開始したこのオンラインストレージは、開始直後から口コミで評価が広まり、今年の4月からは日本語版も正式に立ちあがった。ご存じない方に簡単に説明すると、オンライン上に画像やPDFなどのあらゆるファイルを保存することが出来て、所有している他のパソコンだったり、友人や会社の同僚等とファイルを共有することができるクラウドだ。

TechCrunchの4月の記事によると、ユーザー数は全世界で2500万人といわれる。2009年は200万人、2010年が400万人だったということなので、今年に入ってから急激に増加しているようだ。
確かにここ最近、Dropboxに関する記事をネット上で良く目にする。

そんな中、先週(5/31)Dropboxのブログでこの好調を裏付けるようなポストがあった。正式な発表はまだらしいが、Sony EricssonとSoftbankとパートナーシップを結んだということだ。ITMediaによると、手始めにソフトバンクのスマートフォン購入者に、Dropboxのストレージ容量を1Gバイト追加でプレゼントするキャンペーンを開始するようだ。

ここ最近だけでも日本の携帯電話キャリアと大手ネットサービス会社との提携が目立つ。先月DocomoがTwitterと、auがFacebookとのパートナー化を発表している。日本の携帯も脱ガラパゴス化が進みつつあるのだなと思いつつ、今回はそんな注目のDropboxについて考えてみたい。




◆オンラインストレージの種類

世の中には「オンラインストレージ」と呼ばれるサービスは無数にある。Dropboxの話をする前に、この有象無象あるサービスをまずは整理してみたい。人によってオンラインストレージの定義は異なるが、個人的には「転送サービス型」「バックアップ型」「同期型」の3種類に分類することができると思う。それぞれ下記のようにまとめてみた。

■転送サービス型
オンライン上にファイルを保存するというよりも、メール等では送りにくい容量の大きいファイルを誰かとやり取りするのに優れている。日本だと「宅ファイル便」が非常に有名。長期間ファイルを保存することが出来ない。

■バックアップ型
いわゆるファイルを保存しておくことを主眼としている。多くのサービスが無料で1GBなどのスペースを提供。日本のサービスだとリコーが提供している「quanp(1GBまで無料)」や、Microsoftの「Windows Live SkyDrive(25GBまで無料)」などがある。

■共有型
例えば会社のPCと自宅のPCだったり、所有するスマートフォン等とファイルを手軽に共有出来ることがウリのサービス。Dropboxがここに位置する。その他にも、Zumo DriveSugar Syncといったサービスが有名。



上記はあくまでも独自の定義である。また、複数に当てはまるサービスもある(例えばquanpでもファイルを転送できるし、Dropboxをバックアップ用に使うことも出来る)。ただし、特徴的な機能で分類すると、上記のように整理できるということである。


上記オンラインストレージの中でどのサービスが最も優れているのかを知りたければ、Googleで検索すれば、さまざまな記事が出てくる。そのため、敢えてそれぞれのサービスを詳細に比較するのはやめておく。個人的には、自分自身のニーズ(どう使いたいか)によってサービスを使い分ければよいかと思う。大容量のファイルをバックアップしたいならSkyDriveかquanpの有料版を使えばよいし、ファイルを手軽に共有したいならとりあえずDropbox、Zumodrive、Sugarsyncの3つを使ってみて、使いやすいものを選べばよいと思う。



◆Dropboxがすごい理由

Dropbox以外のサービスがユーザー数を発表していないが、恐らくDropboxの独り勝ち状態であることはほぼ間違いないと思う(ユーザー数が多ければ、自分から発表しているはずだから)。では、なぜここまで成長することができたのかを分析してみたい。


1. 1家に1台から1人に複数台

総務省の発表によると、日本国内におけるPCの普及率は83.4%(2011年3月)だ。さらに、とあるネット調査によると使えるPCが複数台自宅にあるという人は76.4%にも上るという。これは調査対象者が不明のため、日本全土における厳密な数字ではないだろうが、PCの低価格化による買い替え、ネットブックの普及、タブレットPCの登場により、家に複数台PCがある人が多くても不思議ではない。

また上記ニールセンの調査によれば、職場でも自宅でもPCを使ってネット接続をする人が921万人いるという。




さらにD2Cの2011年1月の調査によれば、スマートフォン普及率が上記の通り7.6%程度であるという。調査から約半年経っており、その後docomo、auからも次々と日本製スマホが登場しているため、現状ではもう少しこの数字は高くなっているだろう。





上記のことから、おそらく日本人の1割程度は、複数のPCもしくはPCとスマートフォンを併用して使っていることになる。1人が複数のPCを使用している市場背景は、ファイルを複数デバイス間で共有できるDropboxにとってかなりの追い風になっている。





2. シンプルな機能と使いやすさ

一通りのオンラインストレージを使ってみての個人的な感想だが、やはりDropboxが一番シンプルで使いやすい。Dropboxがこれだけユーザー数を伸ばしたのも、このわかりやすい機能とユーザーフレンドリーな操作性が最も競合優位性を発揮した部分であると思う。

PCの場合、インストールするとDropboxのフォルダーが出来るので、そこにファイルを入れるだけ。他のPCで使う場合は同じようにインストールするだけで、フォルダーさえ開けばファイルが同期されているのだから。これほど便利でわかりやすいものはない。
さらにオンライン状態においても、フォルダーの中身は失われないので、ネットにつないでいちいちファイルをダウンロードしなければいけないストレスもない。その分PCのHDD容量を必要とするデメリットはあるが、それを超越する利便性があると思う。




前回のInstagramもそうであったが、ひとつの機能をとことん追求して、究極までにわかりやすくシンプルにしたサービスこそが、多彩な競合に打ち勝つヒントなのではないかと思う。



今回の震災によってクラウドやストレージの注目度が一気に高まっているらしい。クラウドが一時期ブームのようになって久しいが、この記事を書き始めたタイミングで、AppleからiCloudが発表された。現時点ではまだ不明なことが多くどうなるかはわからないが、今回説明したような大混戦のオンラインストレージ戦争が大きな転換期に入ったことだけは間違いない。個人利用においても、オンラインストレージの利用者は今後一気に増えていく段階(クリティカルマス)に来ているだろう。
次回はこの流れでiCloudの可能性を考えてみたい。





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